双子姉妹
そう言う小春ちゃんに胸の奥が少しだけモヤッとした気持ちになった。


「そうかな……」


普通に喜べばいいのに、小春ちゃんに言われるとなんだか素直になれない自分がいた。


自分と小春ちゃんが似ているせいかもしれない。


「名前、なんていうの?」


「小春ちゃんには関係ないじゃん」


思わず突き放すような事を言ってしまい、ハッとする。


けれど、もう遅かった。


小春ちゃんは驚いたようにあたしを見て、それから「ごめん」と、小さな声で言った。


あたしはスマホをしまい「あたしこそ、ごめん」と呟くように謝る。


謝る時には小さな声になってしまうのって、どうしてなんだろう。
< 105 / 269 >

この作品をシェア

pagetop