双子姉妹
しばらく部屋でぼんやりと過ごしていたあたしだけれど、すぐに立ち上がって隣の部屋へと向かった。


目的はもちろん洋服だ。


ドアの前で立ちどまり、深呼吸をする。


気持を落ち着かせてからドアを大きく開いたのに、数々の衣装を見た瞬間心臓が止まるかと思ってしまった。


この前見た時よりも随分増えている。


今度はバッグや靴と言ったものも部屋の隅の棚に並べられているのだ。


「素敵……」


思わずそう呟いて、ハイヒールを手に取った。


サイズはM。


あたしと小春ちゃんの体格はほとんど同じだから、もちろんあたしにもピッタリなサイズだ。
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