双子姉妹
☆☆☆

用意されていた朝食はフレンチトーストとコーンスープだった。


見覚えのある食べ物にホッと胸をなで下ろす。


昨日の晩のフルコースはどれも見たことがないものばかりで、食べ方に苦戦してしまった。


思い出してクスッと笑う。


小春ちゃんの両親がいなくて良かった。


「いただきます」


ユキエさんへ向けてそう言うと、ユキエさんはニッコリと笑顔を見せて部屋を出た。


食べる直前まではここにいるけれど、食べ始めると外へ出るのだ。


きっと気をつかっているのだろう。


それはあたしにとっても有りがたいことだった。


お蔭でフランス料理のマナーを知らなくても気にせず食べる事ができたのだ。
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