双子姉妹
「え……?」


恐る恐る顔をあげ、鏡の中のユキエさんと視線を合わせる。


「いつも業者を呼んでの買い物じゃないですか。それが、自分からお店に出向くなんて、なにかあったんですか?」


ユキエさんはさっきと同じように髪をとかしながらそう聞いて来た。


普段は業者を呼んで買い物をしていたのか。


さすがにそこまでの想像はしていなかった。


「た、たまにはお店に行っての買い物もいいじゃない」


声が震えるのを必死で抑え込んでそう言った。


「そうですね。家にいてばかりでは心が疲弊してしまいます。さっそく、連絡を入れておきますね」


ユキエさんはそう言い、嬉しそうに去って行ったのだった。
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