双子姉妹
「お待ちくださいお嬢様」


その声に立ち止まって振り向くと、近藤さんがお店の人に車の鍵を渡している所だった。


「1人での行動はおやめください」


そう言って慌てて駆け寄って来る。


車の鍵を受け取ったお店の人は、リムジンを移動し始めた。


その光景に唖然としてしまう。


高級ホテルの宿泊者じゃないんだから。


「お待ちしておりました堀内様。こちらへどうぞ」


そう言って建物からでてきたのはネームに支配人と書かれているスーツ姿の男性だった。


「さ、行きましょうお嬢様」


近藤さんに促され、あたしはキョトンとしたまま歩き始めたのだった。
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