双子姉妹
☆☆☆

それからあたしは、昨日の自分がどんな様子だったのかを、それとなくクラスメートに確認していた。


そして口をそろえて言われたのが「楽しそうだった」と言う事だった。


小春ちゃんはあたしとして学校に来たことが本当に楽しかったようだ。


けれど涼太から話を聞いている内に衝撃的なことを知ってしまった。


「昨日も別れ際にキスしたろ」


その言葉に愕然をしてしまった。


小春ちゃんはそんなこと一言も言っていなかった。


涼太は体調の悪いあたしを気遣って、家まで送って帰ってくれたそうだ。


その別れ際にキスをした。


その事実を知って胸の奥がムカムカと苛立つのを感じた。


マスクをしたままでいてほしいと言ったのに、それも無視されていたことになる。


小春ちゃんはあたしの想像以上に好き勝手していたようだ。
< 154 / 269 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop