双子姉妹
すでにデートに行くことは決まっているから、ここで文句を言っている暇はない。


早く準備をして、できるだけこのワンピースが似合うように変身する方がいいと考えたのだ。


黒いワンピースを着て鏡の前に立った時、あたしは盛大なため息を吐き出した。


まだ顔も洗っていない顔にきらびやかなワンピースは不似合い過ぎる。


「サイズは大丈夫そうだね」


小春ちゃんがホッとしたようにそう言った。


「あたしたち体型まで似てるんだから大丈夫に決まってんじゃん」


あたしはため息交じりにそう返事をした。


「あとはメークだね。でも大丈夫、今日は専門的な人を呼んであるから」


そう言われてキョトンとしている間に、見知らぬ女性が2人部屋の中に入って来た。


手には大きな荷物を抱えている。
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