双子姉妹
「ま、いいか。新しい自分も発見できたしね」


鏡の中の自分に満足してあたしはそう言った。


「よかった」


小春ちゃんがニッコリとほほ笑む。


「小春ちゃんは今日1日どうするの?」


「あたしは家で大人しくしておくよ」


「それって、あたしが小春ちゃんになり切ってデートをするから?」


そう聞くと小春ちゃんは頷いた。


「外をうろついて同じ顔が2人いるって思われても困るしね」


「それなら、隣街に行ってみたら?」


あたしの提案に小春ちゃんは「隣街に?」と、首を傾げて聞いて来た。


「実は今日、あたしは涼太とデートなんだよね。でも今のままじゃ行くことができないし。小春ちゃん、代わりに行ってきてよ」
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