双子姉妹
あたしの言葉に小春ちゃんは大きく目を見開いた。


「涼太君とデートって……あたしが行ってもいいの?」


そう聞きながらも、涼太の名前を聞いてすでに頬が赤くなっている。


本当なら涼太と小春ちゃんがデートするなんて絶対に許さない。


けれど、小春ちゃんから武人君とのデートプランを聞いている間に、あたしの気持ちに変化があったのだ。


レストランで食事や、高級ブランド店での買い物。


そんなデートができる学生なんて、滅多にいない。


武人君に実際会ってみないと、本人を好きになれるかどうかはわからない。


けれど、小春ちゃんには好きになってしまったと伝える予定でいた。


小春ちゃんが身を引いてくれれば、武人君はあたしの彼氏になる。


このチャンスは絶対に逃すワケにはいかなかった。
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