双子姉妹
涼太なんてもうどうでもいいハズなのに。


自分自身にそう言い聞かせてあたしは涼太から視線をそらした。


小春ちゃんの家も彼氏もあたしの理想通りだった。


でも、友達はどんな子たちなんだろう?


あたしは色々を話かけてくる柚に適当に相槌を打ちながら、ぼんやちとN女の事を考えていた。


やっぱり小春ちゃんと同じお嬢様たちが通っているんだろう。


柚や千代と会話をしているよりも、もっと堅苦しいかもしれない。


でも、テレビの話題やネットの話題しかない毎日よりも、ずっと情報量も多くて刺激的かもしれない。


あたしの知らない世界を沢山教えてくれるかもしれない。


「心、話聞いてる?」


好きな芸能人の話を延々と語っていた柚が、しかめっ面でそう聞いて来た。


「ちゃんと聞いてるって」


あたしは適当に返事をして、放課後さっそく小春ちゃんに連絡をしてみようと思っていたのだった。
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