双子姉妹
N女の先生と違い、化粧っ毛がなく地味で可愛くない先生がほとんどだ。


身近と言えば身近かもしれないけれど、女として尊敬できる部分はどこにもない。


それからあたしは授業内容を少しだけ教えてもらって、小春ちゃんと服を交換した。


勉強内容は正直サッパリわからなかった。


専門的な経済学なども習っているらしく、さすが将来を担う人材が多いだけある。


その半面、仕事はせずに女性として自分を高めるために学校に通っている子も多いそうで、華道、茶道なども習っているらしい。


「あたしがやったのと同じように、マスクを付けて風邪をひいたことにすればいいよ」


「そうだね。華道や茶道は休めるの?」


「たぶん大丈夫だよ。保健室はいつでもだれでも出入り自由だから」


保健室が出入り自由だなんて、あたしの学校では考えられない。


「サボリたい放題だね」


そう言うと小春ちゃんは笑って


「サボる時はちゃんと喫茶店があるから大丈夫だよぉ」


と、言ったのだった。
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