双子姉妹
「あたしは別に大丈夫だよ」


どんな呼び方でも、お嬢様には変わりないんだから。


それから3人で交わす会話も、普段のあたしとは大違いなものだった。


キョウカちゃんの恋の相手は御曹司らしいし、リオちゃんの最近の悩みは経済の動きが不安定なこと。


あたしはそんな2人の話を聞いて、ひたすら驚くばかりだった。


だけど、どんな話をしていてもさざ波のように静かで、笑い声も上品だった。


やっぱり、家が違うからだろう。


教室にはいつの間にか生徒たちが溢れていたけれど、あたしの学校のようにバカ騒ぎをする生徒はいない。


それから授業が始まっても、すべてスムーズに進んでいった。


小春ちゃんが教えてくれたサボリ用の喫茶店にも行ってみたけれど、そこでは数人の生徒が大人しく自習をしていて、あたしの想像とは全く違うものだった。
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