双子姉妹
そんなことをする必要がわからなかった。


柚はグイッと身を乗り出してあたしに近づいて来た。


「だからさ、実はメッセージの相手はkohaちゃんじゃなくて、知らない男だったりしないかってことだよ」


と、小声で言われて目を見開いた。


相手が男である可能性なんて考えたこともなかった。


あたしは唖然としてしまって返す言葉を失った。


「なぁに心を脅してんのよ」


後ろからきた千代が柚の頭を軽く叩いてそう言った。


「だってぇ、あまりにも出来過ぎた話でしょ?」


柚は眉間にシワを寄せてそう言った。


確かに。


言われてみればそうかもしれない。
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