双子姉妹
☆☆☆

武人君が連れてきてくれた場所はこの前とは違うお店だった。


こちらのお店も前回同様に高級品ばかりが並んでいる。


雑貨や服まで、沢山の商品の取り扱いがあって、店内を眺めているだけでも十分楽しめる。


「このペン、可愛いんじゃないか?」


そう言われてピンク色の細いペンを差し出された。


ガラスでできているペンのようで、とても繊細だ。


持っているだけでも割ってしまいそうでとても怖い。


値段30万円と、かなり高額な商品だった。


「可愛いけど、とても使えそうにないよね」


床に落として割ってしまったらと思うと、使う事はできない。


「小春は案外物持ちがいいよな」


「え、そう?」


「そうだよ。服だって、着ないものまで持ってるだろ? 着ないなら捨ててしまえばいいのに」


クスクスと笑ってそう言う武人君。
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