双子姉妹
馬鹿にされているような気がして、下唇を噛んだ。


「あ、ごめん。友達のことを悪く言うつもりはなかったんだ。小春には色々な友達がいるなって思って、ビックリしたんだよ」


武人君が慌ててそう言った。


確かに、悪気はなさそうだ。


あたしはガラスのペンを商品棚に戻して笑顔を作った。


「気にしてないよ。服なんて、いくらでも買えるもんね」


あたしはそう言ったのだった。
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