双子姉妹
「あたしも、嬉しい」


「でもこれでやっと、婚約者として相応しいって思ってくれたってことかな?」


そう聞かれて、あたしは頷いた。


武人君が相手なら、結婚したってかまわない。


こんなに素敵な男の子、あたしは今まで見たことがないんだから。


「うれしいな。小春にそこまで想ってもらえて」


武人君はそう言い、あたしの頬にキスをしてきた。


「ところで、小春の両親は今どこにいるんだい?」


そう聞かれてあたしは固まってしまった。


小春ちゃんの両親が海外にいることは知っている。


けれど、今どこにいるのか聞かれると、答える事はできなかった。


「小春、どうした?」


無言のままでいると武人君が不思議そうな顔をしてきた。
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