双子姉妹
「ご、ごめんなさい。今両親の話はちょっと……」


「あぁ、ごめんな。雰囲気が台無しだよな」


そう言いながらも、武人君は真剣な表情であたしを見ている。


「だけど、俺と小春がこういう関係になったってことは、早くそっちの企業の状況を把握しておきたいんだ。もし万が一にでも、不正や企業成績の低下がみられると、俺は小春との結婚はできないからね」


早口でそう言う武人君にあたしは目を見開いた。


「え、なにを言ってるの?」


「なにって、小春だって理解してるだろ? 互いの会社が大きく成長するためには深い部分まで理解しておく必要がある。小春の家ならまず大丈夫だと思ったけれど、万が一はあり得るからね」


「ちょっと、待って……」


あたしは慌てて身を起こした。


今の話じゃ、まるで小春ちゃんと武人君は会社のために付き合っていたというように聞こえる。
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