双子姉妹
青ざめ、脱ぎ捨てた下着を身につけて行く。


「おい、どうしたんだよ小春」


「あたしは……会社のために人を好きになったり、結婚したりなんて、そんなことできない!」


服を着終えて、あたしは叫んだ。


武人君みたいな素敵な人、二度と出合えないと思っていた。


それなのに……。


悔しくて、下唇を噛みしめた。


小春ちゃんはあたしがこうなることをわかっていたのかもしれない。


だから、武人君に飽きただなんて言って、あたしをたきつけたんだ!!


怒りは武人君から小春ちゃんへと変換されていく。


「ふざけるなよ!!」


途端に怒鳴られて、ビクリと身を震わせた。
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