双子姉妹
「ごめんね武人君」


あたしはそう言って、床に膝をついた。


綺麗な武人君の足。


その指にそっと触れた。


この1本1本までを愛することができればよかったのに。


そう思いながら親指の爪にペンチをねじ込んだ。


それだけで相当痛かったのか、武人君が足をばたつかせた。


「ジッとしてな」


ユキエさんが後ろから武人君の足を押さえてくれた。


「ありがとう」


あたしはそう言い、ペンチで爪を掴んだ。
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