双子姉妹
女の子と会うだけなのに、こんなに緊張するとは思わなかった。


『あ、いたいた!』


そんな声が聞こえてきて、電話は切れてしまった。


周囲を見回してみると、白いTトップスにブルーのスカートをはいた女の子が走って来るのが見えた。


緊張が高まる。


近づくにつれてその子が自分とそっくりな顔をしているのがわかった。


あの写真は偽物じゃなかったんだ。


その事実にホッと安堵のため息が漏れた。


小春ちゃんの事を信じていたけれど、ギリギリまで疑念は晴れていなかった。


万が一のことを考えて、交番前に立っていたのだ。
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