双子姉妹
楽しそうに笑う小春ちゃんに、あたしも自然とほほ笑んでいた。


あたしたち、体格まで似てたんだ。


そう思うと、友達の言っていた言葉が思い出された。


小春ちゃんの服を貸してもらえるかもしれないという、淡い期待が大きくなる。


会話をしている間に緊張も溶けはじめ、あたしたちは目的の綿あめ屋さんまでやってきていた。


綿あめ専門店なんて珍しくて、全国でもまだここにしかないのだそうだ。


休日ということもあり、若い女の子たちで行列ができている。


どのくらい並ばなければならないのかわからなかったけれど、小春ちゃんと2人なら気が重たくなることもなかった。


「小春ちゃんが着てるスカート、写真に上げてたやつ?」


「そうだよ。ここのブランド大好きなの」


「可愛いよね! でも高いでしょ?」


確かスカート1枚でも1万円くらいしたはずだ。
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