双子姉妹
女の子が相手だと言っても、今日初めて会ったばかりだ。


家の中に入ってしまえはなにが起こるかもわからない。


そう思って返事ができずにいると、小春ちゃんが「家にはまだ服が沢山あるから、着てみたらいいじゃん」と、言ってきた。



行きたい。



そんな気持ちが湧きあがる。


でも、柚や千代ならきっと止めるだろう。


家まで行くのはもっと仲良くなってからだ。


「あたしの家お手伝いさんしかいないの」


「え……?」


あたしは瞬きをして小春ちゃんを見た。


「両親とも忙しくて、海外を駆け回ってるの。だから家にはお手伝いさんとあたしの2人だけ。学校は楽しいけど、家にいるとつまんなくてさー」


そう言い、唇を尖らせる小春ちゃん。
< 33 / 269 >

この作品をシェア

pagetop