双子姉妹
「もしかして、小春ちゃんの苗字って堀内?」


「そうだよ? どうして知ってるの?」


不思議そうな顔をしてそう聞いてくる小春ちゃんにあたしは目を見開いた。


丘の上の家と言えば、大きなお屋敷だ。


そのお屋敷には堀内という苗字の人が住んでいて、日本でも有名な企業を立ち上げた資産家なのだ。


それなら両親が海外を飛び回っているというもの嘘じゃないだろう。


そもそも、そんなお嬢様が妙な事を企む必要だって、きっとない。


小春ちゃんは純粋にあたしを家に誘っているだけなのだ。


そうとわかるともう迷いなんてなかった。


あたしはアイスティーをまたひと口飲んで小春ちゃんを見た。
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