双子姉妹
こんな服、自分が似合うなんて到底思えなかった。


「こっちに来て」


小春ちゃんがあたしの手を引き、部屋の奥へと移動した。


そこには小さなドアがあり開けると試着室のような小さな個室になっている。


奥には大きな鏡もついていて、本当にお店の中みたいだ。


「これを着てみて」


「でも……」


「いいからいいから」


小春ちゃんから強引に手渡されたワンピースをおずおずを受け取った。


今日は頑張ってメークをしてきたけれど、それでもあたしが着ると浮いてしまう気がする。


「じゃ、着れたら呼んでね」


小春ちゃんはそう言うと、ドアを閉めてしまった。
< 44 / 269 >

この作品をシェア

pagetop