双子姉妹
ここまで来て着ないワケにはいなかい。


あたしは自分の手の中にある白いワンピースを見おろした。


襟の部分がフリルになっていて、ボタンは花の形になっている。


確か去年発売されたものだ。


丈は膝より少しだけ上くらいで、丁度よさそう。


戸惑いながらも、ゴクリと唾を飲みこんでいた。


ずっと欲しかった服が今手の中にあるのだ。


それも、着てもいいと言ってくれた。


それなら遠慮することなんてなにもない。


なにも自分から着せてほしいなんて言ったワケじゃないんだから。


自分に言い聞かせるようにそう考え、あたしは着て来た服を脱ぎ始めたのだった。
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