双子姉妹
☆☆☆

目の前に映っている自分の姿が信じられなかった。


憧れのワンピースを着ている女の子が鏡に映っていて、それは間違いなく自分で。


「可愛い」


思わずそう呟いていた。


メークを頑張って来た甲斐があってか、それは自分にとてもよく似合っていた。


「心ちゃん、着替えた?」


外からそう声をかけられてあたしは「うん」と、返事をした。


「ドア、開けるよ」


「いいよ」


初めて着る服にドキドキしている。


少し照れくさいけれど、動作までしおらしくなってしまうのが自分でもわかった。


「うわ! やっぱりすっごく似合う!!」


小春ちゃんはそう言い手を叩いて喜んだ。
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