双子姉妹
「小春ちゃんの家にお邪魔したの」


あたしは自分の席へ歩きながらそう言った。


「嘘!?」


千代が大きな声でそう言った。


みんなの視線が集まってきて居心地が悪い。


「それって大丈夫だったの?」


柚も心配している。


あたしは鞄を置くと2人を連れて廊下へ移動した。


「大丈夫じゃなかったら今日学校には来れてないでしょ」


そう言うと2人は頷きあっている。


自分も昨日小春ちゃんの家に行くまではずっと不安だったけれど、それは秘密にしておいた。


「家に行ってなにしたの?」


柚がそう聞いて来た。


「それがね、小春ちゃんはあの丘の屋敷の娘だったの」
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