双子姉妹
「体育祭って日曜日なんだよね?」


「うん」


一瞬、小春ちゃんのことを誘うかどうか迷ってしまった。


本来ならあたしからちゃんと誘わないといけないのだろうけれど、涼太と会わせるのが嫌だった。


まだあの夢を引きずっている自分が情けない。


「そっかー残念。今度の日曜日は予定があって見に行けないんだよね」


その言葉に安堵してしまう。


「それなら写真を送るね。あたしが仮装してる姿も見て欲しいし」


「本当!? 嬉しい!」


小春ちゃんはその場で飛び跳ねて喜んだ。


嬉しいという気持ちをそのまま表現できる素直さが羨ましい。
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