双子姉妹
「ねぇ、着てみてよ」


「うん」


あたしは鏡の前に立ち、制服を脱ぎ始めた。


恥ずかしさは不思議となかった。


今身に着けている制服はあたしのものじゃない。


本当はN女の制服が正しいんだ。


そんな気さえしていた。


サイズはあたしにもピッタリで鏡の前に2人で立つとまるで双子のように見えた。


互いの姿を見て一瞬どちらも言葉を失っていた。


本当にそっくりなのだ。


最初に感じたホクロの位置や鼻の形なんて気にならないほど、よく似ている。


「ねぇ、小春ちゃん誕生日はいつ?」


ふと気になってそう聞いた。
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