双子姉妹
下校時刻はとっくに過ぎているし、明日の放課後の向けて早めに帰っていく生徒が多い中、残っているのはあたし1人だと思っていた。


「涼太。まだいたの?」


あたしはミシンの手を休めてそう言った。


「あぁ。もう帰ろうと思ってた所だけどな」


「そっか。明日リレーでしょ? 早く帰って寝た方がいいよ」


「さすがに寝るには早いけどな」


そう言う涼太に笑って見せて、再び手を動かした。
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