双子姉妹
☆☆☆

体育祭が始まってからはあっという間だった。


気が付けば自分の順番がきて、先生と副担任の先生にスカートをはいてもらった。


会場内から大きな笑い声が上がって。


グラウンドのトラックをグルリと一周して戻ってきた時には、達成感で満ちていた。


「あたしたちのクラス、ダントツで受けてたじゃん」


柚が額に汗を滲ませてそう言った。


「先生たちに女装をさせるのは良かったよね」


千代も嬉しそうだ。


そしてなにより、このスカート。


あたしは自分がはいている深緑色のスカートに視線を落とした。


あたしを可愛く彩ってくれたこのスカートには本当に感謝だ。
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