沈黙する記憶
まるで夏男が犯人だと決めつけているような言い方だ。


「やめなよ、克矢」


あたしは克矢を睨み付けてそう言った。


克矢は体格がいい。


本人もそれを理解して、わざと人を脅すような事をいう時がある。


それは克矢の悪いところだった。


「はぁ? なんでお前に指図されなきゃいけねぇんだよ」


克矢があたしの腕を掴む。


想像以上の力で、痛みに眉を寄せた。
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