沈黙する記憶
『うん。克矢のポイントカード、見たよね?』


そう聞かれ、あたしは克矢が見せてくれたホテルのポイントカードを思い出す。


「うん。見たけど?」


『克矢は彼女と付き合い始めて半年ほどだけど、あのカードは二枚目だったの、見た?』


「え……?」


あたしは瞬きを繰り返した。


そこまでハッキリとは見ていないし、覚えてもいない。


『カードの表に『2』っていう数字が書かれてたの。あれは2枚目のポイントカードって意味だと思う』


「そうだったんだ……」
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