沈黙する記憶
「ちょっと待って、じゃぁ克矢は誰とホテルに……」


そこまで言って、あたしは口を閉じた。


嫌な予感が胸を渦巻いている。


『杏が相手だったかもしれないよね』


由花の言葉があたしに突き刺さる。


「そんなわけないじゃん!!」


あたしはすぐに否定していた。


『どうして? 克矢の相手は杏だった。そして杏は妊娠してしまった。克矢の子供か、夏男の子供かわからなかった杏は、あの日2人を呼び出していた……』

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