沈黙する記憶
由花の言葉に、あたしは頭の中で杏と夏男と克矢の3人がホテルの一室で話し合っている光景を浮かべていた。


そんなことない。


杏が、そんな事をするはずがない。


そう思うのに、口の中はカラカラに乾いてくる。


『杏は、克矢と夏男に監禁されていると、あたしは思うんだけど』


由花の言葉に言い返す事ができなかった。


頭の中はパニックで何も考えられない状態だ。


「ごめん由花……あたし、1人で考えたい……」


あたしはそう言い、電話を切ったのだった。
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