沈黙する記憶
☆☆☆

それから数時間夏男と一緒にいたけれど、目立った変化はなかった。


それよりも、これほどやつれてしまった夏男を見るのは初めての事で、混乱の方が大きかった。


夏男は犯人じゃない。


夏男の両親も、自分の息子がこんな状態になっているのを見て苦しんでいた。


早く杏に戻ってきてもらわないと困ると、涙を浮かべて心配していた。


《特に目立った変化とかはなかったよ。夏男も夏男の両親も怪しいところはない》


あたしは裕斗へそうメールを送ったのだった。
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