沈黙する記憶
身長と髪型が似ているあたしが、杏の服を借りてそれを着る。


そして他のメンバーたちもそろって夏男の家を訪れた。


「あら、今日はすごく早い時間なのね」


夏男のお母さんが驚いたようにそう言った。


「ごめんなさい。どうしても夏男に会いたくて」


「いいのよ。最近ずっとふさぎがちだったから、外に連れて出てやってくれる?」


そう言うお母さんに甘えて、あたしたちは夏男を外へ連れ出し、いつもの通学路を歩き始めた。


杏がいたころはまだ夏休みに入る前だった。
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