沈黙する記憶
「会話は今日と同じ、杏がいた時の話題を中心にすることにしよう」


「それならその時に有名になったニュースを取り上げたりすればいいかも」


あたしが言うと、裕斗は頷いた。


「そうだな。夏男はよくニュース番組を見ているみたいだし、効果的かもしれない」


そう言うと、克矢がスマホで当時のニュースを調べ始めた。


「そう言えばテスト期間中にはひき逃げ事件が多発してたな」


スマホを見ながら克矢が言った。


「あぁ。飲酒運転だろ? 夏休み前の気の緩みが出ているって、言ってたな」


裕斗が賛同する。
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