沈黙する記憶
《うん》


《大丈夫?》


《……少し怖いけど、夏男に話をしなきゃ前に進めないから》


それならあたしが一緒に行ってあげようか。


そうメールを打ち込むが、すぐに送ることはできなかった。


こんな場面に遭遇した事は今までないから、あたしがでしゃばっていいのかどうかわからない。


結局、少し時間が経ってから、あたしはそのメールを送信した。


しかし杏からの返事はなかったのだった。
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