沈黙する記憶
登校途中に公園に寄るなんてありえない。


だけどこのまま学校へ行くわけにもいかず、あたしは夏男を見た。


夏男は首を傾げながらもあたしたちについて来た。


「俺たちは覚悟を決めなきゃいけない」


そう言い出したのは裕斗だった。


公園のベンチに座り、真剣な表情で面々を見回す。


「どういう事?」


由花がそう聞くと、裕斗は夏男へ視線を向けた。


「これから何が起こってもそれをすべて受け止める。その覚悟だ」
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