沈黙する記憶
☆☆☆

Kマートまでは自転車で20分くらいかかる。


家を出たあたしたちは目の前に止まっている白い車に乗り込んだ。


克矢の車だ。


軽の車に無理やり5人乗り込んで車は走り出す。


「夏男は自転車で来るだろうから、時間には余裕があるよ」


あたしがそう言うと、助手席の裕斗が「わかった」と、頷いた。


「千奈。夏男にホテルに誘われたら自然な感じでついて行ってほしい」


そう言われ、あたしは目を丸くした。


「ホテルに入るの?」
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