沈黙する記憶
☆☆☆

それから数時間後。


切断を終え、大きなゴミ袋を2つ抱えた夏男は室内の精算機で会計を済ませ、外へ出た。


ここのホテルの駐車場は他人と鉢合わせにならないように作られているため、夏男の姿を見るものは誰もいない。


あたしと克矢が夏男が車のトランクにゴミ袋を詰め込むのを確認し、非常口から外へ出た。


「裕斗たちはどこ?」


「臨時駐車場にいる」


克矢の後について行くと、ホテルの敷地内に3台ほど車が停められるスペースがあることがわかった。


そこに克矢の車は停まっていた。


急いで車に乗り込み、夏男より先にホテルを出て路肩に停車した。
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