沈黙する記憶
「夏男、杏は?」


『は? 杏?』


「今日会ったんでしょ?」


『今日は会ってないけど、どうしたんだ?』


今度は夏男が戸惑ったような声を出す。


杏に会ってない?


一体どういう事?


「でも、杏は今日夏男に会うって言ってたよ?」


『え? 僕はそんな約束してないけど、本当に杏がそう言っていたのだか?』
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