沈黙する記憶
「こうやって気に入った女トランクに押し込めて、ラブホに直行! ってな!」


にやりと笑う克矢。


サッと血の気が引いていくのがわかった。


克矢の車のトランクにはロープやガムテープなどが乗せられていて、あたしの体はそれらで拘束されてしまった。


「あぁ、これからお前には楽しませてもらうから教えておいてやるよ。杏のお腹の子は、俺の子だ」


トランクに手をかけた克矢が自慢げにそう言った。


「てっきり夏男とやっちまってると思ったけど、杏のやつまだ処女だったんだぜ! 信じられるか?


あいつらラブホまで行って最後まではやってなかんたんだ。ちゃんと結婚するまではって、杏の処女を大事に大事にとっといたんだと!」
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