沈黙する記憶
すべての事がどうでもよくて、体にまとわりつくけだるさに少しだけ心地よさを感じて……。


目を閉じてしまいそうになったその瞬間、突然部屋の中が慌ただしくなった。


「克矢! お前が絡んでたのか!!」


裕斗の怒鳴り声が聞こえて来る。


だけど足音が裕斗1人のものじゃない、複数人いるみたいだ。


「制服姿のまま車を運転しているお前を見つけて、おかしいと思ったんだ!! 警察を呼んでホテルの人に説明するのに時間がかかって……くそ!!」


「うるせぇな!! 離せよ!!」


克矢が暴れている。
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