沈黙する記憶
☆☆☆
カラオケに映画館にショッピングモール。
夏休みと言う事でいつも以上に沢山の人が集まっていて、杏1人を探すのはとても不可能だった。
ショッピングモールが閉店するまで店の出入り口で待っていたものの、杏は出てこなかった。
陽はすっかり落ちて辺りは暗くなっている。
「あの子ったら、どこへ行ったの……」
杏のお母さんは不安と心配の色は濃くなり、疲れが見え始めている。
「お前は先に千奈ちゃんを家に送っていってあげさない」
途中から合流した杏のお父さんが、そう言った。
「そうね。もう10時だから、おうちの人も心配してるわね」
ハッと気が付いたようにあたしを見る。
時間が経つのも忘れていたようだ。
「親にはちゃんと説明しているから、大丈夫ですよ?」
「ダメダメ。ちゃんと送るから、車に乗って」
そう言われて、あたしは後ろ髪を引かれる思いで車に乗り込んだのだった。
カラオケに映画館にショッピングモール。
夏休みと言う事でいつも以上に沢山の人が集まっていて、杏1人を探すのはとても不可能だった。
ショッピングモールが閉店するまで店の出入り口で待っていたものの、杏は出てこなかった。
陽はすっかり落ちて辺りは暗くなっている。
「あの子ったら、どこへ行ったの……」
杏のお母さんは不安と心配の色は濃くなり、疲れが見え始めている。
「お前は先に千奈ちゃんを家に送っていってあげさない」
途中から合流した杏のお父さんが、そう言った。
「そうね。もう10時だから、おうちの人も心配してるわね」
ハッと気が付いたようにあたしを見る。
時間が経つのも忘れていたようだ。
「親にはちゃんと説明しているから、大丈夫ですよ?」
「ダメダメ。ちゃんと送るから、車に乗って」
そう言われて、あたしは後ろ髪を引かれる思いで車に乗り込んだのだった。