沈黙する記憶
白いスマホの裏側に杏と夏男が2人で写っているプリクラが張られている。


プリクラを撮ると大抵杏が交換してくれるけれど、これはもらったことのないプリクラだった。


「夏休みに入る前に2人で撮ったんだ」


「ここのゲームセンターで?」


「あぁ」


夏男が頷く。


それと同時に夏男の足はゲームセンターへ向けて動きだしていた。


あたしは慌てて夏男の後について行ったのだった。
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