沈黙する記憶
☆☆☆

新しいゲームセンターあたしが普段遊んでいるゲームセンターより賑やかだった。


裏口の静けさとは裏腹に、広いコインゲームコーナーの音が耳をつんざく。


老若男女問わず色んな人たちが台の前に座り、コインを握りしめている。


コインゲームやパチンコゲームがメインのゲームセンターのようで、店の半分以上をしめている。


「ここはコインを使ったゲームをメーンで置いているゲームセンターなんだ。でも、プリクラの機械も最新の物が入っているって聞いて、杏と2人で来たんだ」


あぁ。


そういえばあたしも学校でそんな話を聞いた気がする。


いつか行こうと、杏たちと約束もしていたのだ。


「これだ」


1つのプリクラ機の前で立ちどまり、夏男は言った。


あたしはその機会の中に入り、中を見回してみた。


通常よりも広いスペースになっていて大人数でも撮れるようになっている。


「またみんなで取りに来ようって、杏は言ってたんだ……」


夏男はゲームセンター内では聞こえないくらい小さな声でそう言ったのだった。
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