沈黙する記憶
僕は今でも杏を愛している。


僕は目の前に立っている杏を見てそれを再確認した。


白い肌。


栗色の艶やかなショートヘア。


大きな黒目。


ふっくらとした唇。


杏は学校内でも5本の指に入るほどに綺麗な子だった。


こんな杏が僕の気持ちにOKをくれるなんて1年前は想像もできないことだった。


それが、今こうして、杏は、僕の子供を、身ごもっている……。
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