沈黙する記憶
白昼堂々
あたしと裕斗は40分ほどかけて夏男の家に到着していた。


妊娠していたことを考えて行動すると、途中のイートインスペースのあるコンビニで休憩したと考えたのだ。


「40分か……」


裕斗はスマホを確認して呟いた。


「でも、大きな道だし危険そうな場所はどこにもなかったね」


「そうだな。明るい時間だし、人通りも車も多い。何かがあれば周囲が気が付くだろうな」


裕斗は腕組みをしてそう言った。


まるで探偵になったようなしぐさに、少しだけ違和感を覚える。
< 65 / 229 >

この作品をシェア

pagetop